セミナーレポート:「写真からアートへ」

公開日:2026/2/27

先日、都内にてワークショップを開催いたしました。 タイトルは「写真からアートへ」。 「レンブラント・ライト(オランダの巨匠レンブラント・ファン・レインの絵画に基づいたライティング)」をテーマに、単なる技術の習得にとどまらず、作品の背景に

どのような物語を込めて「アート」へと昇華させるか、というストーリーテリングの手法についても共有させていただきました。

私は普段、セミナーでプロのモデルを起用しません。 それは、参加されるフォトグラファーの皆さんが日常の業務で向き合うのは、あくまで一般の方々だからです。今回も、モデルは貸しスタジオのアシスタント氏が務めましたが、それ以上に多くの撮影時間を費やしたのは、ワンコ(犬)たちでした。

言葉の通じない相手であり、飼い主さんの協力も不可欠なワンコをあえて選んだのには理由があります。 最近、愛犬をアーティスティックに撮影するフォトグラファーが増えていますが、技術や構成が未熟であったり、何よりアートに不可欠な「ストーリー」が欠落していたりするケースも見受けられます。日本のアートフォトの底上げに貢献したいという想いから、今回の開催に至りました。

ワークショップでは、犬のストレスを最小限に抑えるよう配慮しましたが、慣れない空間で10名以上の視線にさらされる環境は、彼らにとって少し過酷だったかもしれません。それでも、飼い主さんには大変喜んでいただき、午後には差し入れまで頂戴しました。 また、別のワンコは飼い主さんと一緒に、まるでヨーロッパのお城に飾られた肖像画のような雰囲気の仕上げをイメージして撮影。老犬ながらも人懐っこく、深い愛情を受けて育ってきたことが伝わる、温かい撮影時間となりました。

人物撮影のパートでは、ポージングの理論からライティングの角度、背景との関係性まで多岐にわたるレクチャーを行いました。参加者の皆さんも、非常に熱心にシャッターを切っていらっしゃいました。

終了後の懇親会では、ビジネスの悩みやフォトグラファーとしての矜持など、メンタル面でのご相談も多くいただきました。 フォトグラファーは、撮影の瞬間には誰の助けも得られない孤独な職業です。常に決断を迫られる厳しい仕事でもあります。 写真が好きで仕事にすることは比較的容易ですが、真の挑戦はスタートを切った後にあります。 「限界を決めるのは自分自身」。表現者としてそのプロセスを楽しみ、具現化するための技術を磨き続けてほしいと願っています。

開催から1週間後には、オンラインでフォローアップを実施しました。 Lightroomでの現像からPhotoshopでのアート仕上げまでを解説するセクションです。当初は私がデモンストレーションを行い、参加者の皆さんにはアーカイブ動画で復習していただく予定でしたが、当日のアンケートで「一緒に操作を学びたい」という要望が多数派となりました。

しかし、その対応が今回最大の課題を招くことになります。 参加者の習熟度は一様ではなく、操作のたびに「できません」という声が上がります。一人ひとりを見捨てるわけにはいかず、習熟度の高い方にはお待たせしてしまいましたが、最後までフォローを徹底しました。 結果として「Photoshop初心者講座」に近い形となったため、後日改めて、より高度なワークフローやTipsを披露する場を設けることにいたしました。

Photoshopは多機能過ぎるゆえ、プロでも使いこなせている人は限られています。 AIの進化による機能の拡張は過去のそれとは全く次元の異なるスピードで進んでいます。是非、初心者へのサポート機能も強化されることを望みます(^^)