
みなさん、こんにちは。Adobe Community Leaders Club(以下ACLC)をサポートしている加藤翼です。今回から「生成AIとコミュニティ」をテーマにした連載をスタートします。
現在、生成AIは単なる「便利ツール」を超え、私たちの「つながり方」や「共創のあり方」を根本から変えつつあります。テクノロジーの劇的な進化にワクワクする反面、戸惑いを抱く声も耳にします。本連載が、新しい表現に挑むクリエイターの皆さんの「対話のきっかけ」になれば幸いです。
■ コミュニケーションの「摩擦」をゼロにする
これまでコミュニティに参加するには、頭の中のアイデアを言葉や絵にする「表現の摩擦」が存在しました。東京大学の稲見昌彦教授が「生成AIが人間の感情やコミュニケーション能力を『拡張』する」と指摘するように、AIは漠然とした想いを翻訳してくれる相棒です。発信のハードルが下がることで、コミュニティ内の対話は爆発的に増えています。
■ 個人の「好き」を熱狂に変える触媒

摩擦が減ることで起こるのが「熱量の可視化と伝播」です。先週末、日本科学未来館の万博関連展示を訪れました。そこで印象的だったのが、大阪・関西万博のデザイン要素「こみゃく」のムーブメントです。オープンな資産として解放されたことで、プロアマ問わず多数の二次創作が噴出しています。
「学びの場」でも同様です。アドビクリエイティブカレッジのオンラインコミュニティでは、参加者が生成AI「Adobe Firefly」を駆使し、自発的につながって一つの作品を作る「合作」が活発に行われています。AIが「思いつく」から「見せる」までの時間を劇的に縮め、共創のループを生み出しているのです。
■ 熱狂の裏側にある「葛藤」と、対話の重要性
一方で、「自分の表現とは何か」と葛藤を抱くクリエイターも少なくありません。孤独になりがちな不安だからこそ、コミュニティでの「対話」が重要です。
月に1回開催されるACLC参加リーダーたちのオンラインミーティングでも、「このAI機能はどう活かせるか」「どこからが自分の表現か」といったリアルな葛藤がオープンに語り合われています。正解がない時代、対話を通じて新たな価値観を模索するプロセス自体が、次なる創造への支えとなるはずです。
次回以降は、コミュニティ運営の最前線で起きているリアルな変化を深掘りしていきます。共に新しいつながりの形を探求していきましょう。
【参照記事】
【筆者プロフィール】
加藤 翼(Tsubasa Kato)
株式会社qutori CEO / 株式会社ロフトワーク シニアディレクター / BUFFコミュニティマネージャーの学校 創設代表
1990年千葉県柏市出身。「共創」をテーマにしたコミュニティディレクターとして、他分野のコミュニティを横断する事業を多数手がける。早稲田大学で哲学を専攻後、外資系コンサルなどを経て株式会社ロフトワークに入社。100BANCH / SHIBUYA QWS等の立ち上げに携わる。2017年 株式会社qutoriを創業。
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