

こんにちは。mimosa 代表の角野杏早比です。
3月8日、国際女性デー。
別名、ミモザの日。
この日、アドビ株式会社のオフィスにて、女性フォトグラファー・ビデオグラファーを対象としたイベント「MIMOSA DAY 2026」を開催しました。
募集開始から、わずか半日で満席。
追加枠もすぐに埋まり、当日は全国から42名の女性クリエイターが集まりました。
なぜ、ミモザの日にこのイベントをやったのか
3月8日は、女性の社会的・経済的な活躍を祝い、称える日。
でも、今回この日にやりたかったのは、「誰かを称えること」よりも、
「今ここにいる一人ひとりが、自分のこれからを考える時間をつくること」でした。
日々の制作に追われていると、自分のことを考える時間って、驚くほどなくなります。
目の前の仕事をこなすことで精一杯で、「このままでいいのかな」と思いながらも、そのまま走り続けてしまう。
だからこそこの日は、少し立ち止まって、
自分は何をつくりたいのか
どんな仕事をしていきたいのか
何を大切にしていきたいのか
そんな『未来の自分について考える1日』にしたいという想いで、
このイベントを企画しました。
「女性が少ない業界」という現実の中で
私たちが生業とする映像業界は、少しずつ変わってきているとはいえ、まだまだ女性が多いとは言えない業界です。
今回、全国から42名の女性フォトグラファー・ビデオグラファーが一堂に集結した光景は、まさに、圧巻の一言。
関東だけでなく、
愛知、滋賀、岐阜、大阪、兵庫、石川、広島、岡山、福岡…と、本当にさまざまな場所から来てくれていて、
「こんなにも仲間がいたんだ!」
という驚きと同時に、
「この場をつくって本当に良かった」と、改めて実感しました。
と言うのも、普段はそれぞれが、ほぼ一人で仕事をしています。
だからこそ、横のつながりを求めてこの場に来てくれた人も多かったはず。

ワークショップは「スキル」より「向き合い方」
今回のテーマは、「技術」ではなく、「稼ぎ方」でもなく、
「自分とキャリアを、どう重ねるか」
もちろん、ツールの使い方や表現の話も出てきます。
でも、それ以上に大きかったのは、「自分と、キャリアとの、向き合い方」という話。
写真を撮ること。
映像をつくること。
それを仕事にしていくこと。
その全部に対して、自分はどんなスタンスで立っているのか。
登壇者の言葉が、心に刺さる理由
当日は3名の登壇者によるワークショップを行いました。
最初に登壇してくれたのは、「わが子写真家」の なかむらまりこ さん。
テーマは「撮ることと、向き合うこと」。
印象的だったのは、「どう撮るか」の前に「どう見るか」という話でした。
目の前の被写体(我が子)をどう捉えるのか。
光をどう感じるのか。
そして、それをどう自分の表現として落とし込むのか。
その上で、Adobe Lightroomを使った写真の調整方法も紹介していただきました。
実際に画面を見ながら色味や光のニュアンスが変わっていく様子はとても分かりやすく、
「なんとなく感覚でやっていたこと」が言語化される瞬間でもありました。
技術の話でありながら、その根底には「自分が何を美しいと感じるか」という問いがあり、
写真と向き合う時間の質そのものを見直すきっかけになったように感じます。

続いて登壇してくれたのは、MONAさん。
MONAさんは、大腸がんステージⅢを経験しながらも、写真・映像・ジャーナリングを通して表現を続けています。
テーマは「それでも私が残し続ける理由」。
その言葉のひとつひとつに、強い実感がこもっていました。
「なぜつくるのか」
「何を残したいのか」
普段はあまり深く考えずに流れてしまう問いに、真正面から向き合う時間でした。
技術やキャリアの話ではなく、「生き方」としてのクリエイティブ。
その視点に触れたことで、
つくるという行為そのものの意味を、改めて考えさせられた参加者も多かったと思います。

そして最後は、映像監督の齋藤汐里さん。
テーマは「光を照らすディレクション」。
「どこに光を当てるか?」
同じ被写体でも、どこに光を当てるかで、まったく違う物語になる。
それは映像だけでなく、すべての表現に共通することです。
クライアントワークにおいても、
「何をつくるか」ではなく、「どこに価値を見出すか」。
その視点を持つことが、ディレクションの本質であるという話は、
分野を問わず、多くのクリエイターにとってとても重要です。

3人の話に共通していたのは、「問いを渡す」というスタンスだったように思います。
だからこそ、聞いて終わりではなく、
それぞれが自分の中に持ち帰る時間になっていたのだと感じました。
「一人じゃなかった」と気づく時間
今回のイベントで、個人的に一番印象に残っているのは、参加者同士の会話です。
ワークの中で話しているうちに、
「それ、私も思ってました」
「同じことで悩んでました」
そんな声があちこちから聞こえてきました。
普段は一人でやっていると、自分の悩みが「自分だけの問題」に見えてしまう。
でも、実は同じことで悩んでいる人がたくさんいる。
それに気づけるだけで、少し楽になるし、少し前に進める。
「もっと話していたかった」
そんな声が多かったのも、すごく納得でした。

この日、すごく象徴的だった光景
今回、会場での撮影を担当してくれたのは、コミュニティ「mimosa sisters」のメンバーである女性フォトグラファーでした。
広島から、しかも1歳のお子さんを連れての参加。
今回、出産後初めての出張ということで、彼女はギリギリまで参加を悩んでいました。
結果、コミュニティメンバーのサポートもあり、
交代でお子さんを見てあげることで、成り立った暖かい場となりました。
(Adobeのスタッフさんも、ヨガマットを敷いてくださったり、遊んでくださったりと、心遣いに感動しました)
その姿を見て、こういう働き方が、もっと当たり前になってもいいんじゃないか、と。
もちろん簡単なことではないし、状況による部分も大きい。
でも今回のように、周りが自然に受け入れて、さりげなくサポートできる空気があれば、
「どちらかを諦める」じゃなくて、
「どうやったら両立できるか」を考えられる。
そんな場が少しずつ増えていけたらいいなと、思いました。

運営もまた、「コミュニティ」でできている
今回のイベントは、mimosaのコミュニティメンバーである「mimosa sisters」が中心となって運営を支えてくれました。
全国から集まり、「参加者に楽しんでもらいたい」という気持ちで動いてくれたメンバーたち。
その空気は、ちゃんと参加者にも伝わっていて、
「運営の細やかな心遣いが嬉しかった」
という声も多くいただきました。
イベントって、内容だけじゃなくて、「空気」で決まる部分も大きい。
その意味でも、とてもいい場だったと思います。

最後に
MIMOSA DAYは、スキルを「学ぶ場」ではなく、
「自分の中にあるものに気づく場」だったと思います。
すぐに成長があるではない。
でも、確実に、本質的な問いが残る。
そんな一日でした。
あの日の出会いや言葉が、
それぞれのこれからに、少しでもつながっていたら嬉しいです。
そしてまた来年、ミモザの日に。
同じように、でも少し変わった自分たちで、会えたらいいなと思います。






















