
【イベントレポート】みんなのデザイン研究所 #04 「置いてけぼりを作らないデザイン 〜福祉・社会課題に向き合うクリエイターに聞く〜」を開催しました!
公開日:2026/2/27
みんなの学校の黒葛原 道です。
2026年2月11日(水)、宮崎市に『みんなのデザイン研究所 #04 「置いてけぼりを作らないデザイン 〜福祉・社会課題に向き合うクリエイターに聞く〜」』を開催しました!
みんなのデザイン研究所とは
「みんなのデザイン研究所」は、みんなの学校が開催するセミナー/トークイベントシリーズです。
今回は5回目の開催となりました。
イベント概要

イベント名:みんなのデザイン研究所 #04「置いてけぼりを作らないデザイン 〜福祉・社会課題に向き合うクリエイターに聞く〜」
日時:2026年2月11日(水)
会場:株式会社インタークロス
協賛:株式会社インタークロス、アドビ株式会社
はじめに:善意が“置いてけぼり”を生むこともある
デザインは、見た目の良さや使いやすさ、課題解決など多面的な価値を持つ一方で、良かれと思って作ったものが、結果として誰かを「置いてけぼり」にしてしまうことがあります。
本イベントでは、宮崎県三股町のコミュニティ「よる学校」を舞台に、「福祉×クリエイティブ」 と 「Webアクセシビリティ」 を軸に、「誰ひとり取り残さない」設計や表現を、実例ベースで掘り下げました。
当日は「よる学校」のWebサイト制作に関わった3名のクリエイターが登壇。
実際のサイト画面や制作物を見ながら、「何を大事にし、どこで迷い、どう決めたのか」を制作のリアルとして共有しました。
まずは趣旨説明と登壇者紹介から
冒頭は私(黒葛原 道)が、イベントの趣旨説明と登壇者の紹介を行い、トークがスタートしました。

登壇① 平野 由記さん(ウフラボ):福祉・社会課題へ関心が移った背景
続いて、デザイナーの平野 由記さん(ウフラボ)から、学生時代からの経歴を含めた自己紹介。

なぜ福祉や社会課題に関心を持つようになったのか
なぜそれをクリエイティブと結びつけようと考えたのか
どんな違和感や動機が活動の根っこにあるのか
といった点を、丁寧に言語化して共有してくださいました。

「よる学校」Webサイト制作秘話:課題は“伝わりづらさ”
話題は「よる学校」のWebサイト制作へ。
「よる学校」は三股町社会福祉協議会が運営する「コミュニティデザインラボ」が運営する場で、年齢や立場、経験を問わず安心して関われるコミュニティを目指して活動しています。暮らしや仕事に役立つ学びから表現・創作まで幅広く扱い、対話と関わりの中で「新しい一歩」が生まれることを大切にしてきました。
一方で、活動の魅力が強いからこそ「言葉にしてもなかなか伝わりづらい」という課題があった、と平野さん。
「誰もが参加できるように」という思想を、どう表現し、どう届けるかがテーマになりました。
そのアプローチの一つとして、平野さんは「よる学校」のコンセプトをまとめた絵本を制作。
そこからWebサイト制作プロジェクトがスタートしました。


登壇② 黒葛原 道:Webデザインで大事にしたこと
ここからは私が「よる学校」のWebデザインについて解説しました。

そもそも「よる学校」にはWebサイトがなく、情報発信はSNSのみ。
SNSでは日々のスケジュールは流れてくるものの、
そもそも「よる学校って何?」
いつ/どこで/誰がやっているの?
どんな人が行っていい場所なの?
といった情報がストックされず、結果として“わかりづらさ”につながっているのでは、という仮説からスタートしました。
「多様な方に来てほしい」という願いがあるにもかかわらず、そもそも情報が十分に開示されていないのではないか。
そこで、デザイン以前に必要な方針として 「必要な情報をきちんと載せる」 を掲げ、関係者にも共有しながら整理していきました。
デザイン面では、世界観を壊さないことを最重要にしつつ、細部は信頼して任せてもらう形で進行。
また、撮影の立ち合いで20回ほど現場を訪れたことで、「よる学校とは?」がより輪郭を持って理解できたことも、制作に大きく影響しました。
登壇③ あべゆりさん(ポルケポッケ):アクセシビリティ実装のリアル
続いて、フリーのコーダーでありウェブアクセシビリティスペシャリストの、あべゆりさん(ポルケポッケ)へバトンタッチ。
まずは「アクセシビリティ」そのものの概要から解説いただき、
その後「よる学校」Webサイトで対応したアクセシビリティ実装を、実際のサイトを見ながら紹介していただきました。


制作の“理想論”ではなく、現場の実装として何をどう入れたのか、判断の軸は何だったのかが具体的に共有され、参加者にとって非常に学びの深いパートになりました。
Adobeツールでできるアクセシビリティ:Adobe Colorの活用
トークに呼応する形で、私からはAdobeツール側のアクセシビリティ機能も紹介しました。
例として取り上げたのは、Adobe Color内の「アクセシビリティツール」。

背景色と文字色などのコントラスト比をチェックでき、低い場合は警告が出るため、見えづらさの原因を早い段階で潰せます。
さらに、作成した色はCCライブラリ経由で他のAdobeアプリでも利用可能。

会場では、ライブラリで同期した色をIllustratorのスウォッチに登録する流れもデモでお見せしました。
また、IllustratorやPhotoshopに搭載されている「色の校正」機能も紹介。

「色の校正」では「P型(1型)色覚」や「D型(2型)色覚」といった色覚特性のある方が、色がどのように見えているかをシミュレーションすることができます。

まず、緑と赤のオブジェクトを配置し、「P型(1型)色覚」や「D型(2型)色覚」に切り替えます。

すると、両方ともくすんだ緑になりました。
色覚特性のある方はこのように見えているということです。
ここで伝えたかったのは、色だけで情報を伝えるのではなく(例えば緑がOKで赤がNG)、文字ラベルなども添えておきましょう、ということです。
Adobeグッズプレゼント大会!
イベントの最後は、Adobeグッズが当たるじゃんけん大会!
レアなグッズもあり、会場はかなり盛り上がりました。
さらに全員プレゼントのAdobeステッカーもあり、最後まで熱量の高い時間になりました。
おわりに
参加者の皆さん、登壇者の皆さん、ありがとうございました!
制作の技術論にとどまらず、「福祉の現場と向き合う姿勢」そのものを参加者と一緒に考える、濃い時間になったと思います。
みんなの学校とは?
みんなの学校は、1人で頑張るデザイナーのためのコミュニティです。
デザインの相談や、デザイナー同士のコミュニケーションができます。
サイト:minna.school
X(旧Twitter):@minnanogakko
メンタリング・相談(1 on 1)
デザインやキャリアの悩みなど、なんでも相談OKです。
デザインのフィードバック
デザインやポートフォリオに対して意見・フィードバックを行います。
(例:ロゴ/チラシ/Webサイト など)
セミナー・勉強会
会員限定の勉強会やセミナーを開催。ゲスト登壇も企画しています。
(例:Photoshopレタッチ/アクセシビリティ/生成AIなど)
ミートアップ
週1回、オンラインでミートアップを開催しています(参加自由)。
テーマを固定せず、気軽に参加できる場です。
#みんなの学校
#置いてけぼりを作らないデザイン
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